初期投資支援スキームは、屋根に載せる太陽光の売電価格を、最初の数年だけ高くし、残りの期間を低くするしくみです。住宅用(10kW未満)は1〜4年目が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWh。設置費用を早く回収できるようにするのがねらいで、2025年度下半期(2025年10月〜)の認定から始まりました。
しくみ
住宅用:15円/kWh を10年間
屋根設置の事業用:11.5円/kWh を20年間
住宅用:24円(〜4年目)→ 8.3円(5〜10年目)
屋根設置の事業用:19円(〜5年目)→ 8.3円(6〜20年目)
資源エネルギー庁は、このスキームのメリットとして「投資回収年数を短縮できる」「返済額のうち利息分を抑えられる」ことを挙げています。また屋根に載せて自分で使う太陽光は電力の送電網への負荷が小さく、国民の負担を抑えることにつながる、としています。
対象になるのは
- 住宅用の太陽光(10kW未満)
- 事業用の太陽光のうち、屋根に設置するもの(10kW以上)
- 2025年度下半期以降に国の認定を受けるもの(2026年度の認定も同じ価格)
庭や空き地など地面に置く事業用の太陽光は対象外です。
知っておきたい「条件付き認定」
資源エネルギー庁のQ&Aでは、階段型の価格の対象になる案件について次のように説明しています。
- 途中でFITをやめられない:原則として、設備を廃止(撤去・処分)しない限りFITから離脱できません。階段型の案件は、調達期間中に別の売り先と契約して売電できない条件付きの認定になります。
- 設置の形を変えられない(10kW以上):屋根設置から地上設置への変更はできない条件付きの認定です。
「5年目から価格が下がったら、もっと高く買ってくれる電力会社に乗り換えればいい」という考え方は使えません。10年間は、認定を受けた売電のしくみのまま続けることを前提に考えましょう(FITの途中でやめることはできる?)。
5年目からの下がり方に備える
5年目に売電価格が24円から8.3円へ約3分の1になるので、売電収入も5年目から大きく減ります。シミュレーションを見るときは、1年目の売電収入×10年で計算していないか確かめてください。8.3円は電気を買う値段よりかなり安いので、5年目以降は売るより自分で使うほうが得になりやすく、蓄電池やエコキュートの昼間沸き上げなどで自家消費を増やす工夫が効いてきます(自家消費率を上げるコツは?)。
今後の見通し
2027年度の住宅用も初期投資支援スキームとされています(経済産業省 2026年3月発表)。調達価格等算定委員会の意見(2026年2月)では、支援期間の短縮を2029年度から適用することを基本とするとしています。
出典:資源エネルギー庁「屋根設置太陽光発電の初期投資支援スキーム」、資源エネルギー庁「買取価格・期間等」、経済産業省 報道発表(2026年3月19日)、調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」。