国の委員会が価格を決めるときに使う数字で5kWの家を試算すると、設置費用を取り戻すまでに12〜16年ほどかかり、20年使えば37万〜74万円ほど手元に残る計算になります。ただし、これは平均的な前提での目安です。屋根の向き・影・設置費用・昼間の電気の使い方で結果は大きく変わるので、必ず自分の家の数字で計算しましょう。
国の想定値で試算する
経済産業省の調達価格等算定委員会は、毎年、住宅用太陽光の費用や発電量のデータを集めて売電価格を決めています。その数字(2026年2月の意見書)を使って、5kWの太陽光を載せた家を試算しました。
| 項目 | 使った数字 | 出どころ |
|---|---|---|
| 設置費用 | 1kWあたり28.9万円(5kWで144.5万円) | 新築・2025年設置の平均値 |
| 発電量 | 年6,000kWh(設備利用率13.7%) | 委員会の想定値 |
| 売る割合 | 64.8%(残り35.2%を家で使う) | 余剰売電比率の実績平均 |
| 自家消費の価値 | 1kWhあたり27.45円 | 委員会が置く自家消費の便益 |
| 売電価格 | 24円(1〜4年)、8.3円(5〜10年)、10円(11年目〜) | 2026年度の価格/卒FIT後の想定値 |
| 維持費 | 1kWあたり年3,000円(年15,000円) | 委員会の想定値 |
試算の結果
| 条件 | 回収できる年 | 20年後の手残り |
|---|---|---|
| 費用28.9万円/kW・維持費3,000円/kW | 16年目 | 約37万円 |
| 費用25.5万円/kW(2026年度の想定値)・維持費3,000円/kW | 14年目 | 約54万円 |
| 費用28.9万円/kW・維持費1,045円/kW(実績平均) | 14年目 | 約57万円 |
| 費用25.5万円/kW・維持費1,045円/kW | 12年目 | 約74万円 |
| 費用28.9万円/kW・家で使う割合50% | 14年目 | 約64万円 |
※ パネルの出力の低下、パワコンの交換費用、電気料金の変動、ローンの利息は入れていません。パワコンは使っている間に交換が必要になることがあり、その費用の分だけ回収は遅くなります(パワコンの寿命と交換の目安は?)。
回収が早くなる条件
- 設置費用が安い:1kWあたりの価格が回収年数に一番効きます(1kWあたりの価格はいくらが目安?)。
- 昼に電気をよく使う:8.3円で売るより、27円前後の電気を買わずに済ませるほうが得です。
- 南向きで影がない屋根:発電量がそのまま収入と節約になります。
- 補助金が使える:自治体の補助金があれば、その分だけ回収が早まります。
回収が遅くなる条件
- 北向き・影が多い屋根で、発電量が少ない
- 相場より高い見積もりで契約した
- パワコンの交換や屋根の補修などの出費が重なる
- ローンの金利が高い
お金以外の価値も考える
太陽光は、停電したときに昼間の電気を使える(停電したら太陽光の電気は使える?)、電気料金が上がったときの影響を小さくできる、といった面もあります。一方で、点検や屋根の管理の手間もかかります。「何年で元が取れるか」に加えて、20年使い続ける前提で家の計画と合うかを考えましょう。
自分の家の条件では太陽光の回収年数の計算で試算できます。
出典:調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」(2026年2月5日)、資源エネルギー庁「買取価格・期間等」。試算はこれらの数字を使った当サイトの計算です。